不動産を売却する際、複数の不動産会社に価格査定を依頼して、
査定額の高い不動産会社に売却の依頼したという話をよく聞きます。
しかし、必ずしも査定価格が高かったからといって、最終的な売却価格が高いとは
限りません。それは不動産には「相場」というものがあるからです。
この相場とは、最近の不動産取引価格の事例や、「地価公示価格」(毎年1月1日を
基準日として3月頃に官報で公示)や都道府県が発表する「基準地価格」
(毎年7月1日を基準日として9月頃に公報で公表)、相続税評価基準による
「路線価」を参考にして、不動産の査定をするために基準として設けた数値です。
ですので、本来であれば複数の不動産会社に価格査定を依頼したとしても、
この「相場」をベースに算定したものであれば、そんなに大きな差が出ないはず
ということになります。
しかし、売る側からすれば、「少しでも高い価格で売却したい」と考えるのが
心理ですので、当然高い査定価格を提示してくれた不動産会社に期待も含めて
依頼をしたくなるというわけです。
(逆を言えば、不動産会社が敢えて高めの査定価格を提示することで、売主の
期待値をあげ、自社への仲介(売却)依頼に繋げるという営業にもなり得る
わけです)
一方、買う側は「少しでも安い価格で購入したい」と考えるのが心理ですので、
「相場」よりも安い価格での購入を希望します。
すると、高い査定額を提示してもらって、その価格ぐらいで売れると思っていた
売主に対し、買主は「相場」との見極めを行いながら購入を検討するとしたら、
当然、当初の査定額のままでは「売りにくい物件」となってしまい、期間の経過
と共に、売るために売却価格を下げるという選択肢を迫られることになります。
売却までの期間が長ければ長いほど、ローンや維持費、固定資産税等のランニング
コストはかさみますし、売却価格も下落するというデータもあります。
不動産の売却をされる際は、必ずしも「査定価格」=「売却価格」ではないと
いうことをまず認識して頂き、査定結果の高い低いだけで売却を依頼する不動産会社
を決めるという判断をしないよう留意して下さい。
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投稿者 tmskobe : 2014年02月07日 | コメント (0) | トラックバック (0)